まんまる保育園

入口と出口は結局アナログ

こんにちは、
園長でございます。

さて今回は
前回のレコードのお話しがちょっと書き足りないな、と思いまして。

ですが、
私自身が「レコードの方が好き?」と問われるならば、答えはNOです。
だってメンドクサイんですよ~ 
レコードって~ 
(-_-;)

※すぐに傷がつく
※ホコリがたまる
※カビが生える
※暑いと変形する
※聴きすぎるとミゾが減る
って感じで扱い方にとても気をつかうのです…

「ならどうして昔はレコードだったの?」
という問いへの答えとしては
「音を録音再生できるものがレコードしか無かったから」
ということなのです。
だって名前自体がrecord(録音・記録という意味の英語)ですからね。

①レコード
 ↓
②磁気テープ(オープンリール)
 ↓
③カセットテープ
 ↓
④CD
 ↓
⑤MD
 ↓
⑥MP3
 ↓
⑦ダウンロード

上記がだいたいの時系列に沿った音楽の録音再生方法の変化ですが、みなさま方はどこいらへんから参入しましたでしょうか?

私の場合は、物心ついたときには①~③まではありました。
で、そのうちに④のCDが登場したんですが、はじめは気に入りませんでしたね~

なぜかというと、その頃アルバムが一枚だいたい3000円ほどしてたんですが、発売当初のCDはさらにちょっと高かったうえにジャケットも小さいし、購買意欲をまったくそそられなかったんですよ。
そのうえ当時はまだ出始めだったこともあり、CDの再生機器が、高額だった上に不具合が多かったってのもあったと思います。


そんなこともありまして、
発売当初CDはあまり売れず、多くの人は並行販売していたレコード盤の方を買っていました。
特に「音楽が好き」と公言しているような人は、もれなく全員レコードだったと記憶しています。
さらに当時はカセットテープでも新譜が発売されていて、「小ささ」という面でもCDにはアドバンテージがありませんでした。


ですが…

多分CDの方を売りたかった製作会社の意向だと思いますが、そのうちCDだけを先行発売するようになっていきます。
メディア一枚の製作費がダントツに安いので早くそちらに移行したかったのでしょう、レコードやカセットテープは、次第に日本では売られなくなっていきました。

結局私も我慢できずにCDを買って聴くようになるんですが、使ってみるとこれはこれでとても便利なものでした。
先に書いたようなレコードの難点のすべてがクリアされたと思える、未来のメディアだったのです!!

ただ…

そんな便利なCDですが、残念なことに、肝心の「音質」の面では、レコードやテープなどのそれまでのメディアにはかなわないのでした…



それというのも
実は、レコード以前とCD以降では、そこを境にまったく変わってしまったことがあるのです。

記録の形態が、③のカセットテープまでのアナログ録音から、④のCDからはすべてがデジタル技術を介在するようになってしまったのです…

でもこれは音楽だけに限ったことではなく、写真や通信の世界においてもデジタルが登場してきたのはこの頃でした。
パソコンが普及し始めたのも同じ頃なので、デジタル化は、当時の世界を変えるほどの、最新のスーパー技術だったのでしょう。



デジタルとアナログの違いは、ごく簡単に言うならば、階段と坂道の違いです。
傾斜面をおおまかな段に変換することによって情報を簡略化するのです。

なので、データの複製や保存などにはデジタル技術が向いているようですし、アナログは基本的にはその真逆です。

もちろんどちらかが良くてどちらかは悪いということは無いのですが、それぞれに特徴がまったく違うので、相容れることが「難しい」ようなのです。





音楽に話を戻しますと、音は空気の波なので、発生するときはアナログです。
そして、耳に届かせるときにも空気の波にしなくては聴こえません。

ということは、
アナログ→デジタル→アナログ
と近年の音楽は2回も変換されてから私たちの耳に届いているのです。

前述の例えでいくなら
「まず坂道を削って階段にして、それを埋め戻してまた坂道を作る」
みたいなことです。

元と同じ坂道が作れるとは到底思えませんよね?(^_^;)


前回のブログで「若者にレコードが売れている」と書きましたが、もしかしたら、昔の技術が珍しいだけかもしれませんし、複雑な手順がただ面白いだけなのかもしれません。
単純に「流行ってるから」ってこともあるでしょう。

でも私が思うには、デジタル以降の技術は「簡単なもの」を増やしすぎたのだと思います。

言い換えるなら「手に入りやすすぎる」のです。



多少難しかったり最初とっつきにくかったりする方が、できるようになった後は楽しくて長続きするとよく聞きます。

思えば昔はそんなのばっかりでしたが、たしかに近年は初めから簡単にできるものが多いし、製作する人たちもそうなるように日々頭を絞っているのでしょう。

ただ、そればかりになっちゃうとやっぱりつまらないんでしょうね~



あと、

これが重要なところなんですが、

欲しいものが「手に入るまでの時間」や「手に入れるまでの努力」は、受け手の「気持ちを作る」ということでもあるんですよ。

簡単に言うなら「一番美味しいのはお腹が減ってるとき」ということなんですが、このテーマは長くなりそうなので、これはまたの機会に。

ではまた!