お泊まり保育
皆さんこんにちは。
今回は「お泊まり保育」についてです。
今年度は9/10に予定されていましたが、緊急事態宣言の延長等の理由から、非常に残念ではありましたが日程を延期としました。
しかし、昨今急激に感染状況が好転してきたので12/3~4の日程で開催することにいたしました!
やっぱりね、お泊まり保育は重要なんですよ~
ではまず「お泊まり保育とはどういうものか?」ということを書いてみたいと思います。
去年もそうでしたが、予定では今年もまんまる園舎に泊まります。
ってことは子どもたちにとっては毎日普通に日中生活している場所ですが、それでも「両親がいない場所で夜寝る」というハードルはなかなかに高いようで、直前に「お泊まりしたくない」と言い出す子も必ずいるようです。
そして、そのハードルを友達同士励まし合いながら一緒に乗り越える、と。
うん、ドラマがありますね。
すべての園行事は「子どもたちの成長・発達に良い影響を与えるか?」ということについてまず私たちは考えるのですが、お泊まり保育の場合は親元を一晩離れるということで、その効果は大きいと考えられています。
保育園に初めて来た日、ママと離れることで子どもは泣きますよね?
で、そこから慣らし保育が始まり、保育園でも笑って過ごせる時間は日ごとに増えていきます。これは、安心できるエリア(保育園)を新たに獲得することとともに、絶対的に安心できる場所(親元)から離れていられる時間帯を獲得していく、ということでもあります。
ですが、一般的な保育園では最大延長しても深夜まではカバーできません。
そこで「お泊まり保育」の登場です!
お泊まりで24時間のすべてをコンプリートできるのです‼
子どもの成長・発達には様々な種類がありますが、「自分の世界を獲得する」ということは、その中でも重要なもののひとつであるとされています。
「お泊まり保育」を経験するということは、「すべての時間帯は自分の世界として獲得可能」と認識する、ということでもあるのです。
ハイハイの赤ちゃんが、お母さんの膝から抜け出してちょっと行ったら振り返って戻ってくる、という行為を繰り返している姿をよく見かけます。それが「安心する場所から出て自分のエリアを獲得する」という行為のスタートであるとするならば、「お泊まり保育」は、一日24時間の時間帯においての最終段階です。
地理的な部分ではお散歩や遠足などを通して「自分の世界」は広がっていきますし、社会的な部分でも「親→保育士→友達→街の人々」と関係性の世界も広がる一方です。そして将来的には、両親を含む「保護してくれる人」が介入しない完全な「自分の世界」が完成したときに「子ども」は「大人」になるのではないか、と私は考えています。
話は変わりますが。
よく「安心・安全」などとセットで語られることが多いですが、安心と安全はまったく別のものです。
「安全」は数値で示せる客観的なものですが、「安心」は心の状態を表す言葉なので個人によって全く違います。つまり、全員が100%安心する状況というものはほぼありえません。
そして、当然ながら安心感や不安感といった感情も人それぞれに違います。
不思議なことですが、よく分からない状態を「不安・怖い」だと感じるは多いようです。
見たことある人はほとんどいないのにオバケを怖がる人が多いのもそのせいかもしれません。
昨今の新型コロナ感染症についても必要以上に怖がっている人が多いように私は感じていますが、ウイルスについてのことは世界的にもほとんど解明されていないようなので、皆が恐怖に感じるのはそのあたりにも原因があるのかもしれません。
9/10のお泊まり保育は原因不明のコロナ陽性者数増加への不安感から延期になりました。
そして、これまた原因不明ながら現在は陽性者数が激減しています。
「子ども単体で考えるなら新型コロナ感染症は怖い病気ではない」というのが保育業界では定説になっています。確かに「ほとんどは無症状、悪くても風邪程度」では、インフルエンザやRSウイルスの方がよっぽど深刻です。ウイルス変異により子ども同士での感染の可能性も出てきたようですが、症状の程度については今のところは在来株と変わらない、とのことのようですし。
新型コロナ感染症が今後どうなるかはわかりません。ですが、このまま収束しないのであればこれからも付き合っていくしか方法はありませんが、しかし、その間も子どもの成長・発達は止められないのです。
何年か後の将来「あの2020~2021年は我慢ばっかりでつまらなかったね~」と、大人たちはこれでいいのかもしれませんが、乳幼児にとっての「この期間」はそんなに簡単なものではありません。皆がマスクをして日常を過ごすことだけをとっても、「子どもの成長・発達」に対しての悪影響は計り知れないのです。
私たち保育所は「子ども主体」の保育を行うことを求められています。
「子ども主体」とは簡単にいえば「子どもが主役」ということですが、ただの猫かわいがりをすればいいというものではありません。以前ここに書いた「子どもの最善の利益」を常に考慮しながら保育をする、ということです。
その観点から考えると、新型コロナ感染症が子ども自身の生命を脅かすものではない以上、「子どもの最善の利益」に基づいたすべての園行事は中止にすべきではないのです。
今回の予定は12/3~4です。
今回がだめならもう延期はできません。
お泊まり保育、無事に開催できることを祈っています。